イラストのお褒めは望ましくない件について

自分について人から言われたくないことを1つ挙げてください。

このタイトルだけ見ると「自己肯定感が低い」「褒められたら素直に受け止めろ」と思われるかもしれませんが、人には事情と言うものがありますので、最後までお付き合いいただけたら幸いです。

絵柄素敵って褒められた際は凄く嬉しくて、絵が描けなかった自分にとって初めて絵が成長したんだなっていう実感が湧いていたほどでした。
「絵柄素敵」「あなたの絵が好き」ずっと努力してきたことだから褒められるの嬉しい、最初のうちはそう思っていました。
でも褒められ続けていると、褒めているのそこだけなのではと疑問も持つようになり、イラストを褒められても嬉しくなくなってきたのが実情です。

そう思うようになったのは、ゲーム制作やその素材作成においてもイラストのお褒めはいただいておりましたが、他のゲーム制作者に対してはそのゲームのストーリーやシステム、その質などのお褒めが多く、それに対して私はイラストしかお褒めをいただいていないことに気付きました。
ゲーム全体の質というよりイラストしかお褒めがなく、また私自身イラストが上手いというわけではないので「ゲームとしての魅力はないし、直接見ることのできるイラストしか印象がない」ということになるため、かなりショックでゲーム制作から一時降りたことがありました。
その後、ふりーむ !コンテンツに応募した「Knight of Lapyrith」が受賞し、その後の1分ノベルコンテストで「蚕の贈り物」が受賞するなど、ゲーム制作の実績を積むことでようやく私の作品の魅力が伝わるようになりました。
それが私に転機でもあったため、現在もゲーム制作を続けております。

やはり見てほしいのは絵ではなく、絵で表現したキャラクターの個性や感性、ストーリーといったものです。
褒められるのは凄くありがたいけど、具体的にどこが良かったかも分からず、毎回同じ内容で褒められても他に言うことないのか?それ本当に純粋な気持ちでそう思ってるのか?という疑問が湧いてきます。

自分のキャラの良さを共有したいという思いから創作を始めたわけですので「このキャラ好き!」みたいなリアクションが一番嬉しいのです。
逆にイラスト自体の性質や絵そのものに関する感想として「絵柄素敵」「あなたの絵が好き」に対して「ありがとう!」は気まず気持ちになってやりにくいものなのです。
イラストを私物化してその技巧をアピールしたいわけではなく、自分のキャラやその魅力を引き出して供給を増やしたいと言うのが本来の目的ですので、この考えを元に創作に力を注いできました。
絵は共有しやすい表現ですので、その手段に過ぎません。
分かりやすく言うと、「作った料理がメインなのに褒められたのは皿の絵柄」みたいな感じです。

結論を申しますと、お世辞やおべっかはノーセンキューってことなのです。
絵ではなく、その絵に込められた印象に残った部分を伝えることは大いに創作の支援になると思いますので、ご理解いただけたら嬉しいです。

最後まで見ていただき、ありがとうございました。

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